令和6年1月29日
今回、蛍光灯とLEDの基準の違いをお知らせいたします。
まず色と光は切っても切れない関係です。
光があるので、色が発色し色を見ることができます。
ですが、光源のスペクトル(光の波)が違うと見える色も少し違ってきます。
LEDが生産され量産化されるまで、『色を見る光の基準(基準の光)』は蛍光灯で、JIS基準であるD65を使用しておりました。
蛍光灯はしっかりと規格化された製造を行っており、各メーカー太陽光のスペクトルを再現し生産規格をしJIS基準や世界の製造基準に合わせ
蛍光灯を製造していた為、色を見る事に対しバラつきなく安定した環境で色を確認し調色する事が出来たのです。
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蛍光灯の構造としては、
蛍光灯は低圧にしたガラス管内の水銀蒸気中に放電を行い、発生した紫外光(波長253.7 nm)を蛍光体で可視光に変換するもので、
蛍光体の種類ごとに異なる光源色や演色性の光を得ることができる
(ウィキペディアより引用)
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対するLEDですと、今現在製造方法に関し各メーカー発光原理がバラバラで、JIS企画があるものの色温度が定められているだけとなります。
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2010年9月に制定された「JIS C 8155一般照明用LEDモジュール-性能要求事項」には、照明用白色LEDの定義が明記され、
分光分布が可視域のほぼ全域に広がりその間にスペクトルの欠落部分がないこと、相関色温度は2,500K~10,000K(ケルビン)であること
(色温度とは光源が発する光の色を定量的な数値として表したもの)
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下記の図は、大まかに発光原理を表した図になります。
ご覧いただくと、LEDを白色に見せる為の発光方法が違う事がわかります。
発光原理に統一性がないと、スペクトルにバラつきが出て安定した色は見れなくなります。
特にLEDは壁紙にも影響を受け、LEDの光で白い壁紙の部屋などで色を見た場合、LEDの光が強く色飛びをして
しまい安定して見れない状態になります。
・その他、地球の経度緯度の違いで色の見え方も変わる
下記の図は高緯度と低緯度の図です。
日本国内で染色した物は、日本やその他、台湾や韓国あたりの諸外国でしたら色の見え方は変わらないと思います。
ですが、中国やヨーロッパ、などに出荷しますと、色見本とかなり差が出てしまい色が合わなくなります。
これは弊社の経験ですが、中国四川のお客様が染色依頼をされたので、中国の蛍光灯の基準も規格も違うと思い
何か『光の基準』を作らなければと考えました。
太陽光であれば、平均的な見え方になるだろうと思い、外光合わせで色を合わせ染色し四川に送ったところ、
オレンジ味の色だった物が茶色く見えるとの事、色々調べた結果、四川は日本より緯度が高い為、色の見え方が違うとの答えにあたりました。
後、解決策を考えクリアに至りましたが、外国と日本の色の見え方も違うのです。
・カラーコンピューターマッチングシステム
弊社や他社で色の基礎データを読み取る方法でカラーコンピューターマッチングシステムという
コンピュターがありカメラで色のデータを撮影しコンピューターで分析する仕組みです。
そのメーカーさまとの会話でもLEDが問題となっているとの話で、
企画が統一されてないため、ソフトにLEDの発光データを入れたとしても
その1つのメーカーしか反映できないとの事でした。
・LEDが主流になってからの対応
LEDが主流となり、現在百貨店やオフィスの光源がほぼLEDとなっている今、
弊社では、極力その会社さまにお邪魔して光源を確認するアナログな方法で対応しております。
全て伺う事は出来ませんが、基本になる光源の確認をさせていただいております。
また、LEDの発光原理が違いますと、色合わせで色差が出てしまう事があり、厳密な色合わせが
難し事もございます。