染色マメ知識

サスティナブルとは?

去年から今年にかけてPTJ(プレムアムテキスタイルジャパン)や様々なイベント等で、サスティナブルが話題になっており
サスティナブル(持続可能性)は、エコやリサイクルが中心となっている。

展示会やイベント等でサスティナブルの内容とは
・リサイクル〇〇
・再生○○
・天然染色
・バイオマス
・植物性プラスチック
等々

再生の一番のネックは『価格が高くなる、品質が落ちる』という点がある。
再生品は『使用していた物をばらばらにし不純物を落とし綺麗にする手順』や、『落ち綿』と呼ばれる撚糸段階で溢れた綿をかき集め
再度撚糸する工程を経るので、その工程に手間や労力が掛かる。

再生〇〇などのポリエステルやプラスチックなどは、ポリエステルやプラスチックから汚れた不純物を取り除き洗浄し、
その廃材をチップにし溶かして再生する為、最初から綺麗な状態の物と比べたら物の純度が低くなる。
そのため加工する時に少し品質レベルが落ちた品物になり現在の状況では、まだまだ発展途上な状況と言える。

では染色でのサスティナブルはと言うと、染色をしない、色をつけない、など極端なものから
天然染色や水を使わない染色??などが多く出てきており染色をしないとはファッションの上で正直論外だと思うが、
天然染色だと堅牢度や耐光性の低さに問題があり、

水を使わない染色は泡で染色をする特殊な染色の事で、
技術的には素晴らしいが、ムラなどが出ないのか?生地物は染色できるのか?小さな付属品は染色できるのか?
など使い勝手がまだわからない所があり、まだまだ泡染色は難しい染色だと感じる。

サスティナブルの一番は、生産ロスや無駄をなくす(色の指定や光源決め、染色加工場とのすり合わせ)事が必要かと感じる。
染色で見ると10年前からLED光源の登場により、既存の蛍光灯よりも『色のブレ』が多くなっている。
これは、LEDと蛍光灯の発光原理の違いにより、目で見る物体の発色に影響が出てしまっている。

そのため染色工場に仕事を依頼する製作側は自社の光源の把握や、どの様な状況下で色を見るなど
情報を染色工場に伝える事が非常に重要だと感じ、それが無駄削減にもつながると思う。

製作側の連携をしっかりし、どの様な仕様か加工が必要か?
その条件(光源しかり、縫製や裁断しかり)など提示をする事で無駄の削減にもなるのではないかと感じる。

サスティナブルはザックリと『再生』と銘打ってるが
ものつくりにおいては、再生よりも如何に無駄を軽減するかが身近な課題ではないだろうか?